映画で圧倒され、小説で震えた|『国宝』を2度味わう贅沢

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やまだ

なんかもうすごいものをみてしまった!!

6月6日に上映され2か月近くなる今でも満員、何度もリピート観覧する人が多いといわれている映画「国宝」。

あなたはもうご覧になりましたか?

私は映画を観たのですが、その世界観と表現力にただただ「すごかった…」しか出てこなかったのですが

時系列が飛ぶからもう少し理解を深めたい

と思い、小説を読んでみることにしました。

小説を読むと、映画とは違うところや「だからこの流れだったのか」といった発見や理解が深まりました。

今回極力ネタバレなしで、映画と小説をどちらも味わった感想をお届けします。

これから映画「国宝」を観る方や、小説を読もうかなと思う方の参考になりましたら幸いです。

目次

映画『国宝』が見せた美と孤独

歌舞伎の知識なし、映画を観た人の感想はみな絶賛、しかも感想は「ただすごかった」がほとんど。

名もなき一人の少年が世界でただひとりの存在“国宝”となるまでの物語

というカンタンなあらすじのみ知った上で映画館の大きなスクリーンで観ることにしました。

そんな私から言わせてほしい。

映画『国宝』、映像美が素晴らしい。

こんな簡単な言葉でしか表現できない自分が悔しいけれど、その美しさと役者さんたちの「覚悟」がみえて刺さる刺さる。

歌舞伎の所作、光の使い方、喜久雄のたたずまい、そのすべてがまるでドキュメンタリー映画のようなリアルさ。

演じる人の目つき、沈黙の時間、衣擦れの音すら語りかけてくる。

1年半練習を重ねて撮影されたという、吉沢亮さんと横浜流星さんの歌舞伎の演技は圧巻!!

上映が終わりふっと館内が明るくなったときに、ただただ圧倒されてすぐに立つことができなかったです。

でも、映画では語られなかった“内側”があるんじゃないか。

喜久雄の孤独も、狂気も、痛みも…もっと知りたくなってしまった。

映画では、時系列が結構飛ぶので内容の理解を深めるために、小説『国宝』上下巻を読むことにしました。


小説『国宝』で知る、あの美の“裏側”

小説『国宝』上下巻

小説は時系列順に丁寧に描かれていて、映画ではぼんやりしていた「人生の流れ」が一気に繋がりました。

原作小説を読み進めるたびに「なるほどなるほど…」と翁のようにつぶやく自分。

映画では描かれなかった、喜久雄を支える人たち、師との関係、恋愛や親との関係、そして“芸”という名の呪いと救い…。

どちらか一方では、この物語の本当の姿はわからなかったと思います。

特に小説の中で歌舞伎の演目が書かれているのですが、文字では歌舞伎を見たことがない私にとってイメージするのが難しいけれど、先に映画で演目をみていたので

ああ、こういう演目あった!

とリンクして、歌舞伎に興味をもつきっかけになりました。

「映画の国宝を見て、歌舞伎に興味が出て見に来ました」という人が増えているそうで、歌舞伎ファンが増える一因にもなっているようです(わかる!)。

映画で混乱した人にこそ、小説『国宝』を読んでほしい

映画を観て「よくわからなかった」「でも心がざわざわした」という人には、ぜひ原作を読んでみてほしいです。

  • 映画の補完として
  • 喜久雄の人間性をもっと深く知るために
  • “国宝”というタイトルの意味を理解するために

きっと、もう一度映画を観たくなります。

そして、あの静けさと狂気の中に、喜久雄だけでなく沢山の確かな“人生”が描かれていたことに気づくことができます。

やまだ

読み応えがすごくて小説のラストシーンは絶句しました!

どちらから味わうかは、あなたの自由

私は映画から入りましたが、先に小説を読んでから映画を観る人もいると思います。

どちらが正解ということはありません。

でも、両方体験してこそ、この物語の「静かな重み」が、体に染み込んでくるのではないかと思います。

この内容をよくぞ文字化できたと感服しますし、3時間に収めた映画も一言ではいい表せない感動があります。

映画を観て思うのは、

やまだ

生きてる間に観られて本当によかった!!!

ということ。

俳優でありながら歌舞伎役者を演じることは、想像を絶するご苦労があったと思います。

誰もができないことを、吉沢亮さんと横浜流星さんは演じ、魅せてくれた。

歌舞伎に対して知識がない私でも、どんなシーンでどんな思いで演じているのかヒリヒリするくらいに伝わって、言葉にできませんでした。

映画で圧倒され、小説で震えた。

この感覚は、なかなか得られるものではありません。

この作品に関わってくださったすべての皆様へ、心からの感謝と賛辞を送りたいです。

3時間観覧、ゆらぎ世代は大丈夫?

年齢が上がるにつれ、トイレが近くなる問題。

3時間という長い放映に一瞬たじろんだのですが、映画を観たらそんな不安は杞憂に終わりました。

最初から目が離せないし、何も食べる気になれない。

SNSでは、大福やボンタンアメを食べていくといいというアドバイスもありましたが、

圧倒的な内容に水分もポップコーンも飲み食べすることを忘れるので、館内での飲食は必要なさそうでしたね。

観覧後は予定を入れない方がよさそう

言葉での表現が難しいくらい圧倒されるので、観覧後の料理や睡眠に影響が出るかもしれません(^^)。

私はたぶん料理するのが面倒に思うかもと思い、外出前に夕食の用意をしていきましたが正解でした。

帰宅後はただ一点を見つめて、

死ぬる覚悟が、聞きたい―…

と劇中ででてくるセリフをつぶやくほど呆けました。苦笑。

おわりに

『国宝』は、「生きる」ということに向き合う作品だと思います。

華やかな世界を描きながらも、人の内面と美しさ、脆さをここまで映した作品に、初めて出会った気がします。

これから映画『国宝』を観る人へ。

ぜひ、あなたなりの“余韻”を楽しんでください。

できれば、そのあと本屋にも足を運んでみてください。

2度味わう贅沢を、あなたにも。

やまだ

映画館でぜひ観て!小説でさらに理解を深めてまいりましょう!

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